#2 いくつになっても青いわ痛いわ

夜道を歩きながら、感極まって泣いている人、はい私です。趣味特技: 感極め、とでもいいましょうか。

危ねえ人みたいだけど、皆そんなものだろうと思っています。

夜道じゃなくてもいいね、夕焼けの道なんかもよくないね。朝の電車でもみくちゃにされている時に、お気に入りの曲を聴いてうるうるしているから、通勤が苦痛で仕方ない人みたいになっている―これも私です。(朝から曲に心打たれているだけ)嬉しいんですよね、当たり前の光景が過ぎ去っていくことが。それと同時にそれを失うことを想像して、いざ失ったときに少しでもショックが小さく済むようにリハーサルしているんです。通学通勤途中に大事な人の葬式で喪主を務めるスピーチの練習とかよくしてた。(きも)

In The Dark/ハンバート ハンバート:私の2025年上半期神曲。公共の場でも朝から涙ちょちょ切れソング

よく思う。この人がいなくなったら一体誰が私のプレイリストの曲を増やしてくれるのだろうと。一体誰が私一人で言語化できない心のヌメヌメやヒリヒリを丁寧に表現してくれるんだろうと。だから願う。神様、どうか私を幸せにしてくれるこの人が、あの人が、安全で安心な日々を過ごせますように、お守りくださいと。

神様はなんでもいいんです。仏さんでも、ご先祖様でも、タマネギでもニンジンでも。(と松浦弥太郎さんが言っていた)


ある仕事終わりの平日、家で1人暇な時間があって、ふと邦画でもみてみようと思った。その日の夜ご飯はいちじくとちくわとHARBSのミルクレープ。(組み合わせ不気味〜!)目に留まったのは昨年映画賞を取りまくった「ナミビアの砂漠」。10代の私なら公開時に映画館に見に行ったであろう邦画of邦画の作品をまだ見ていなかった。今日は夜ご飯もヘンテコだし、映画を観てみようと思い立った。結論、最後まで見れなかった。

この映画がどうこうという話ではない。どうこう言えるほども観れていない。私は最近THE邦画というものが観れなくなってしまったのだ。

不思議なものである。幼い頃は貪るように映画を観て、それも邦画中心、デカダンスが大好物だったのに、今や、今やすっかり疎遠になってしまった。相変わらず日本アカデミー賞授賞式を観るのだけは毎年続けているが、映画を観ていないのに映画賞を見てどうするといったところである。

年とともにこうも趣向は変わるのか。年というかほんの数年で、好きだったものが苦手になったり、暗かった場所が明るくなったり、大きかったものが小さくなったりする。時が過ぎるというのは良いものでありますねえ。

10代後半からお付き合いのある年上のお友達というかお姉ちゃん的存在の人に最近会ったとき、「ひかちゃん、ほんと明るくなったよね。」と言われた。実のところ私もそう思う。

10代の頃はほんと訳分からんけど、とにかく一生懸命だったことが振り返れば分かってあげられる。当時の写真は全然残ってない。(私がけったいな子で、スマホ時代だというのに制服の写真がほぼ残っていない!なんでえ!)当時聞いていた音楽も全然記憶にない。とにかくイマイチ覚えていない。

中高帰宅部して、高橋さんは誰よりも遅く登校し、誰よりも早く下校するねえなんて言われながら、あの有り余る時間何をしていたのか。はてなはてな。

そんな当時を振り返れる貴重な資料として、当時の日記がたくさんあるが、もはや呪いの書物みたいで怖いのでよう開けませんわ。十何冊あるそれらの資料はピンクの風呂敷(不気味~!)で包んで一応今も持っている。見たかないけど、捨てるのもなんか惜しいし、まだしばらく持っている。

明るくなって変わったもう一つことは、「今、私幸せ」と言う回数が減ったことである。

もちろん日々いい感じで、大変幸福なのだが、数年前の私は事あるごとに、幸せだ、私幸せだと口にしていた。なんだかあれは言い聞かせていたのかしら、そんな気もしてくる。

「過去や未来を案じて今を失うのは人間だけ」石田ゆり子さんの言葉。

今を生きるサニー(犬、当時0歳10か月)は今を生きているので初めて見る大きめの掃除機にじいっと付いていく...

時間の経過も大人になることも、私には嬉しいことばかりです。最近は病的な日記癖もなくなりつつあります。(相変わらず書くのは大好きだけど、書く内容がまるで明るくなった。)紙にしたためずとも話したい人がいるということだと思います。

もっと幼いときは、大人になったら今の感受性が全部なくなっちゃうんじゃないか、それはどれだけ楽でどれだけ寂しいことだろうと思って怖かった。けれど、それらは良いように残り、良いように廃れ、素敵に図太くなってきたような気がします。

とにかく一生懸命だった青き日を、これからは一生懸命な赤き日に変えていこうと思ったりしているのです。色の使い方は私の自由なので。

最後に、

ここまでの文章を読んでいると、私が”感極まった情緒不安定な暇人”のように見えますが、日々明るく楽しく元気よく、社会人してますからね、普通にちゃんと頑張ってるんで!...という予防線だけ引かせていただいて、本日の駄文はここまでにさせていただきます。

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