#4 春がそろう

成人した娘たちに囲まれて、花見をするのが父の夢だったらしい。

冗談半分にみんなで集まってお酌をしていたら、貴方は泣き出した。

簡単には泣かない人が泣いた。
どれほどに、大事な瞬間だったのか。

20代の時に読んだある本の影響だったそう。
あまりに優しすぎる、優しい人。

貴方に流れた年月を想像するが、想像するには貴方の人生は長いし、 私たちは青すぎる。

人が背負ってるものって、本当にわからない。
計り知れない、計ることさえおこがましい。

大袈裟なのかな、とも思うけど、大袈裟な性分なので、
うるさくっても勘弁してね。

貴方に似たんです。

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#3 入籍前夜、ある「妻になる人」の記録